Memo

管理人の日常暴露
映画『国宝』観に行きました。
すごい作品だった。

気になるけど、3時間はな~って思っていたので、原作だけ読もうかなって考えていたら、歌舞伎のシーンとか素人には想像できないのでは? と言われて観に行くことにしました。


映像美がすごかったのと、吉沢亮の演技がすごかった。語彙力がなくなって、なんとも言えないクソデカ感情が、心にどしんと残って引きずる映画だった。

「悪魔と取り引きした」のシーンとか、オタクは何度も絵で見たことあるけど、生身の役者がやっても怖くてカッコええんだな。そりゃ、皆、一度は表現したいなってなった。その後の娘を無視するシーンなんかは、わざとじゃなくて本当に気づいてないの? と思わせてびっくりしたな。

落ちぶれてからの喜久雄が、屋上で踊るシーンは本当に圧巻だった。色んな感情が詰まっている激しくもあれば静かでもある舞なのに、コンクリートの屋上で観ている人など誰もいない中の舞で、すごい。

本当にすごい映画だからすごいしか言葉に出来ない。語彙力が無い私が悪い。

なんとなーく感じたことなんですが、女は愛を求め与え、男は愛に支えられ利用するっていう対比があった気がしました。男は愛を守ってはくれない。名声が欲しいだけです。酷い。
私ね、カメラマンと喜久雄の会話で「忘れてないよ」だっけ「覚えてるよ」だっけ? で、絶対嘘じゃ~っ!! って思ったんですけど、ボロボロに泣いちゃったんですよね。なんかわけが分からないんですが。まあ、泣くことでしか表現できない感情があるから人間は泣くんだって、高校の頃の友人が言ってたんですが、そういうことだったのかな。


俊介が「あんた歌舞伎が憎くて憎くて仕方ないんじゃないか? ……それでも舞台に立つのが役者ってものや」って言われるシーンがあるのですが、このシーン滅茶苦茶ぶっ刺さった。
"クリエイターと呼ばれる人"が表向きは(とかじゃない人もいると思うけど)自分はこの仕事が大好きで愛しているからできるし続けているって言うじゃん!
でも本当に愛だけでできる? 自分の作品を振り返って、己の力不足を憎んだりしない? 私はそうだから、自分の作品への愛がなくなってしまったから、下手くそな自分が憎くて憎くて描いてはいけないと思ってしまっていたから描けなくなっちゃったけど、それでも描くのがその覚悟があるかどうか訊かれた気分になってしまった。今の私は、描きたい気持ちはある。でも今はまだ描けない。としか言えないけどね!閉じる


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「血」と「才能」に振り回された男たちの物語。
同人女のクソデカ感情と同じくらい大きい感情で、出演者の魂を削って作られたすごい作品でした。すごい。